吉田拓郎の名曲中の名曲である。
高度経済成長の余韻は、
まだ残るように、
街は活気付いていたような1980年前後。
この曲は1979年発売となっている。
昭和歌謡曲が全盛期を誇ったいたような時期。
おませな友達からは、
甲斐バンドを教えられ、
吉田拓郎を聞かされた。
そんな中学時代。
忘れもしない、誰もが憧れた、
ラジカセ。
大音量でも、音割れしない!
当時、その世代は、
恐らく誰もが憧れたはずだ。
厳密にいうと、音に憧れたのでなく、
それを持っている
『大人に私』に憧れたのだろう。
なけなしのお年玉で買った、AIWAのそれは、宝物のように大切に扱った。
学校から帰ると、
何故か母親が家にいた時期でもある。
恐らく、珍しく、怠け者の父親が働いていたのだろう。
帰宅時、良く聞いていたものだ。
母親がいるだけで安心があったのだ。
そこには。
YouTubeには、2013年の拓郎が、枯れた感じで、唄っているせつない生歌がいまもある。
母親が倒れた2017年の冬。
仕事から帰ると、
毎日、泣きながら聞いていた。
この唄。
思い出が風になるには、まだ早過ぎる。
『泣きたい気持ちで 冬を超えてきた人』
この一行だけを、毎日、毎日、噛み締めていた。